日本企業の生成AI導入率が50%を突破 - 営業支援分野での活用が加速
野村総合研究所(NRI)が2025年10月31日に発表した調査によると、従業員1000人以上の日本企業における生成AIの導入率が初めて50%を超えたことが明らかになった。特に営業支援分野での活用が顕著で、顧客データ分析、提案資料の自動生成、商談内容の要約など、営業プロセス全体の効率化に貢献しているという。調査は2025年9月に実施され、国内の大手企業500社を対象に行われた。その結果、52.3%の企業が何らかの形で生成AIを業務に導入していることが判明した。これは前年同期の27.8%から大幅な増加となる。導入している企業の中で最も多い活用分野は「営業支援」で68.5%、次いで「カスタマーサポート」が61.2%、「マーケティング・コンテンツ制作」が54.7%となっている。具体的な成果としては、営業資料作成時間が平均60%削減されたほか、商談後のフォローアップメール作成の自動化により営業担当者の業務負荷が大幅に軽減されたと報告されている。一方で、課題も浮き彫りになった。データセキュリティやプライバシー保護に関する懸念を持つ企業は78.9%に上り、社内ガイドラインの整備が急務となっている。また、生成AIが出力する情報の正確性検証のための体制構築も重要な課題として挙げられた。NRIの研究主幹は「今後2年間で導入率は70%を超えると予測されるが、ガバナンス体制の整備が成功の鍵となる」とコメントしている。
記事提供
日本経済新聞
公開日
2025-10-31